園長のひとりごと

マンネリ
2023-03-17
 2月は逃げて行きました。昔から諺に「1月行く、2月逃げる、3月去る」とありますがまさにそう感じます。あと1ヶ月で今年度も終わり卒園、入園、入学と子どもたちは新たな生活をスタートさせます。毎年この時期は寂しいような、嬉しいような複雑な心情に見舞われますが、子どもたちの元気な笑顔に救われながら、4月からの新生活が喜びと幸せに満たされますことを願いたいと思います。先日の作品展には、皆様お忙しいなかをご来園頂きましてありがとうございました。子どもたちも自分が作った物、表現した物をお家の方にご覧頂けることに大きな喜びを感じていました。この作品展も今年度で37回を数える恒例の行事となりました。小学生、中学生のご兄弟がおられるご家庭の皆様には毎年、代わり映えのない印象をお持ちの方もおられると思います。ふじ組は魚の絵、のり貼り、自画像、ゆり組は版画、紙粘土のお雛様、すみれ組、ちゅうりっぷ組はシール貼り、描画・・毎年ほぼ同じ内容です。私もそう思います。しかし少し視点を変えるとそれは私たち観覧者の主観であることに気付かされます。子どもたちにとって作品展へ向け制作したものは、各年齢、現時点での成長に対して、全てが初体験でドキドキのなかに集中力を必要とするものばかりです。子どもたちにマンネリはありません。むしろ注意しなければならないのは我々大人の側です。過去の経験からの予測、推測は子どもたちにより良い環境を提供する上ではとても重要なことですが、一方でこの予測が方向を間違えると、子どもをみる観点そのものがマンネリ化してしまいます。家庭生活に置き換えてみると「お兄ちゃんお姉ちゃんは○○だったから、この子も○○すれば○○なるだろう」これはとてもありがちなことだと思います。しかし子どもは一人一人が別人格で、一人一人が今日も新鮮な成長をしています。各ご家庭で生活環境は大きく違いますので一概には言えませんが、子どもにとってお父さん・お母さんは一対一のかけがえのない存在であるということは、いつも心にお留め頂きたいと思います。今年度も残り僅か、感謝のなか子どもたちとの良き思い出を与えられますことを心より願います。(2023.2月の園だよりより)
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生きた関係
2023-02-10
 明けましておめでとうございます(遅い?)。この年末年始は新型コロナ第8波とインフルエンザの同時流行が懸念されていましたが、皆様のご家庭ではどのような新年をお迎えになられましたでしょうか?今、世の中は脱マスクに、感染症5類への引き下げ等、新型コロナへの警戒心が若干和らいでおりますが、現状ではまだまだ楽観視はできません。インフルエンザも予想通り姿を現し、現在着々と世の中を蝕んでおりますので、両者とももうしばらく警戒が要りそうです。この1月、保育園では昨年末に中止となりましたクリスマス祝会のDVDを制作するため、動画撮影に励んでいました。前幕を閉めて「ハイ、スタート!」幕が開いたら正面にビデオカメラと先生が1~2名・・そしてピアノ伴奏が始まり、歌やお遊戯がスタートします。各クラス、各演目を撮影しましたが、緊張のため表情が硬い、逆に緊張感があまりなくお調子に乗ってしまうといった印象を共通して受けました。しかしこのようなことは初めてのことですので、仕方がなく、この特殊な環境でも子どもたちは頑張ってくれたことと思います。そして、ふじ組さんの降誕劇も動画撮影をしましたが、この頑張りを一目でも保護者の方にご覧頂きたい、又子どもたちに、目の前で保護者の方にご覧頂くことからの緊張を体感してほしいという思いが生じ、日程を調整し、ご観覧して頂くこととなりました。そして当日、子どもたちの演技に動画を撮影している時とは少し違う印象を受けました。子どもたちは目の前にいる保護者の方の存在をしっかりと受け止めつつ、自分の存在も認められたいとアピールしながら演技しているように見えました。保護者の方も自然にその思いを受け止められたのでしょう。温かい眼差しで子どもたちを見守り、意思の疎通をはかり、そこにはしっかりと質の良い関わりが成立していました。これがまさにテレビやyoutubeには無く、そして動画撮影でも乏しかった、生きた関係であるとあらためて感じました。「テレビを消したら言葉が出た!」という話はよく聞きますが、一方的ではない、各年齢に応じた、旬で、新鮮で、活きのいい関わりが子どもたちは大好物なのです。この度は皆様に大変なご迷惑をお掛け致しましたが、年始早々、子どもたちから新たな学びを与えられましたこと感謝致します。1年を通しますと様々な喜怒哀楽あると思いますが、職員一同、これからも旬で活きのいい関わりを目標に努力したいと存じます。本年もどうぞよろしくお願い致します。(2023.1月の園だよりより)
 
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誇る
2022-12-06
保育園では12月恒例のクリスマス祝会へ向けて練習がスタートしました。当園は日本キリスト教会が基礎となり設立されておりますので、祝会となっておりますが、内容は音楽発表と降誕劇(キリストの降誕)です。10月の運動会と比べ、身体表現は減りますが、舞台上での挙動、そしてリズムや声、表情で成長と努力を感じて頂きたいと思います。ちゅうりっぷ組、すみれ1才は幕が開くと止まってしまうかもしれません。しかしそこにも必ず成長があります。それをしっかりと見付けてあげてください。これは全クラスに共通することですが、子どもの成長、発達を見付け、誇らしさを感じてください。普段は落ち着きがありません。集中力もありません。お調子ばかりしています。でも祝会本番とても短い時間ですが、その日子どもたちは緊張、真剣、集中といった普段とは別の一面を見せてくれます。子どもたちは、確実に着実に成長しています。本番当日の降園後、その成長をしっかりと褒め、たたえてあげてください。立っているだけでも、泣いてしまっても、間違ってしまっても、そんなことはど~でもいいことです。「よく頑張ったね♪」「嬉しかったよ♡」これら肯定的な言葉で行事を締めくくって頂くことで、子どもたちの心は今後も豊かに前進を続けていくことでしょう。「子どもの成長を誇る、それを本人に感じてもらう」この1セットは自己肯定感を育む重要な環境の一つですので、行事だけではなく普段の生活にも入れて頂ければ幸いです。そしてクリスマスと年末年始、軽くなったお財布を眺めながら自分にも「よく頑張ったね¥」と誇りの声を掛けましょう。自己肯定感は大切ですよ~。
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主役はあなた
2022-12-01
「ね~ね~来て~」と今日も、お母さんお父さんは、いたる所で子どもに手を引かれています。わくわく?しぶしぶ?これから、どこに連れていかれるのか、少しの興味と少しの不安を抱えながら、大人は子どもの後に続きます。おもちゃ売場か、ブランコか、小さな手に力強く引かれながら、ふと見るその背中、とても小さく可愛い背中ですが、今、我々は子どもにリードされて後ろを歩いています。「子育て」とは読んで字の如く、子どもを育てることですが、「子どもを育てる」なんだかこれ、我々大人が主のような響きに聞こえませんか?「子育て」の主は我々大人ではありません。「子育て」の主、それは当然のことですが、今、我々の前を歩いている子どもなのです。そもそも大人と子ども、いつも同じ物、同じ事柄に興味や好奇心が一致するはずもありません。大きな枠組みでの良き環境を整えることは、大人の役割ではありますが、そのなかで様々な発見をし、感動し、育っていくのは主である子どもたちです。ここで「子育て」の関係者を紹介します。主役は・・・「もちろん、子どもたち~」・・・では我々大人は・・・監督として主役の動きを細かく指示してはいけません。脚本を練って道を作ってもいけません。我々は主役の安心を支え、自信を導き、自らの力で成長しようとする姿を見守る、応援する、良き視聴者となればいいのです。わくわくでも、しぶしぶでも、あなたの手を引く小さな主役の成長を、温かく見守り、そして支えてあげましょう。アドリブ連発は日常茶飯事、「カット、カットー」は控えめに、主役の活躍を是非お楽しみ下さい♪ 
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笑顔
2022-09-21
2022年、もう夏も終わりです。昨年の夏頃は・・来年は少し落ち着いてマスク生活も緩和されているかな?という期待をもっていたことを思い出します。結果は真逆の大幅増加となりましたが・・・。しかし、最近では感染者の全数把握の見直しや濃厚接触者の待機期間短縮などコロナ感染に対する世の中の動きが変わってきました。来年の夏はどうなっているのか今は誰にも解りませんが、このコロナ禍で子どもたちが多大な悪影響を受けているのは事実です。その一番の要因はマスクです。このマスク生活、かれこれ2年半ほど続いています。という事は、極端に発想しますと今2才半の子どもたちはこの世に生を受けて家族以外で接する大人の顔は目しか知らずに成長して来たということです。更にいうと生まれてきた時も目を開くと、そこには自分を見つめる目玉が数個、喜びを最も表現している大人の口元は見えなかったことでしょう。家庭に帰ると家族の笑顔には出会いますが、外では口元が見えないため、出会った大人が微笑み掛けてくれても、・・・・・?です。この数年赤ちゃんたちは、家族以外の大人から笑顔という愛情を感じることが困難な環境で育ってきたのです。これだけ大規模で、また長期に渡り、笑顔という環境を奪われ育てられた子どもたちの未来がとても心配です。最近お家時間という言葉を頻繁に耳にしますが、お休みの時、またお仕事が終わってお家でお子様と過ごされる数時間、子どもたちにとっては大好きなお母さんお父さんの笑顔に出会える貴重な時間です。しっかりと口角を上げて、子どもたちに素敵な笑顔(口元)をいっぱい見せてあげて下さい。これは今、保育士には出来なくなった保護者の方だけの重要な関わりの一つであることを是非、心におとめ頂きたいと思います。 
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