園長のひとりごと
一世紀
2021-12-06
Happy Birthday♪毎年多くの先輩方々が、遥か一世紀の時を経て、祝100歳のお誕生日を迎えられている。総人口に対して65歳以上の人口割合で世界一、平均寿命でも世界一、日本は今、超高齢社会の先頭を走っている。年金、医療費、社会保障、多くの問題が見通しの着かぬまま膨らみ続ける側で、平均寿命は着実に100歳へ向っている。もし自分が祝100歳を迎えたなら・・・。「三つ子の魂百まで」生まれて約3年間の成長が、その後の人生に、深く長く影響を及ぼすという古くからの諺である。しかし今、世界では「三つ子の魂」3才までの重要性は、単なる諺や神話ではなく、事実として認識され始めている。ここで質問Q今現在、3才までの「何か」が生かされ、今日の活躍があると実感している大人はどのくらいいるのだろう・・・回答Aそれは限りなくゼロに近いと思われる。しかし、事実「三つ子の魂」と呼ばれる力は存在する。果たしてそれは何なのか。身近なパソコン・スマホで例えると、その力とはOS(オペレーティングシステム)、生後約3年間は、このOSを懸命に作る期間であり、APP(アプリケーションソフトウェア)をインストールする時期ではない!最初にしっかりとした良質なOSを持つことで、その後インストールされる様々なアプリは、的確、適切に動作し、またバージョンアップ、アップデートもスムーズにこなすといったところではなかろうか。では話を人間に戻し、具体的に良質な脳本体(OS)は3年間でどのように構築され、魂が宿るのか?この期間で重要なこと、それは「身体操作」の上達、そして「初体験」から得る感動である。指先が繊細に動くようになる、世界をしっかりと見る、いろんな音、声を聞く、はじめて触れるものから感じる感触、すべてが新鮮で自由で、この期間に訪れる感動は測りしれない。これら感動の1つ1つが大切な部品となり、脳本体をコツコツと作っていくのだ。またこのことを踏まえると、子どもたち、特に3才未満児の1分1秒で変化する一挙手一投足の本質も同時に見えてくる。その小さな身体、幼き瞳は、高性能で長期保証の脳構築を目標に、絶え間なく動き、周囲に目を光らせ、感動を探し回っているのだ。時には汚れ、時には怪我をし、そして怒られながらも懸命に部品を集めまわり、3年間でしっかりとした基本的土台を自らつくり、後の人生に備えようとしているのだ。(!驚!)ではこの重要な期間、我々大人は何をすればよいのか。それは脳構築の部品となる感動体験を少しでも増やす為、発達に応じた適切な環境を整えること、また内なる力だけでは叶わぬ、外界との関わりは、子どもをしっかりと抱きかかえ同じ目線、気持ちで感動を共有することだ。大人と共有できた感動は子どもたちに深く伝わり、また新たな感動を生んでくれる。子どもの笑顔は、幸せな未来をつくる大事な部品であることを理解し、認め、関わり、感謝し、その瞬く間に終わる貴重な時間を大切に過ごす。これが子どもたちの成長に重きを置いた大人の3年間、魂作りへの助力である。この先、必ず台頭するであろうAIにも負けぬ良質なOS(脳)を乳幼児期に構築し、その後は置かれた環境のもと様々なアプリ(知性、知識、技術)を自らの意志でインストールし、アップデートし、心豊かに過ごせる近未来♪「三つ子の魂百まで」一世紀先まで通じる魂が、喜びと幸せのなか、すべての子どもたちに宿り、育まれることを心より祈り願う。
非認知能力
2021-09-06
全国で新型コロナウイルスが猛威を振るっています。そのなか、耳を疑うようなニュースも多々聞こえてきます。今、乳幼児期に大切なのは非認知能力を養うことだとよく言われます。非認知能力とは人間としての内面力、人と関わる力のことで、テスト等では計れない力の総称です。ネットなどで詳細をご覧頂けるとお感じになると思いますが、ごく普通、当たり前のことが列記されています。しかし、この各能力を大人になって改めて習得しようと考えた時、その難しさに気付かされます。「鉄は熱いうちに打て」と云われますが、大人となり冷えて固まった状態では、新たな能力の習得に困難なことは多くあります。乳幼児期に自然と生活のなかに存在し、意識することなく心身に入り、その後生涯の力となる。この先、子どもたちにどのような世界が待ち受けているか想像できませんが、内面の力、人と関わる力は、乳幼児期に身に付ける必要があるとても重要なスキルです。今も昔も、子育て・教育とは、未来を見据えてされるべきものだと改めて強く感じます。
8月6日
2021-08-06
被爆から76年目の夏です。東京では1年遅れでオリンピックが開催されるなか、全国の新型コロナウイルス新規感染者が15,000人を超えるという2021年の8月を迎えています。今日の平和宣言にもありましたが、現在世界は一つとなって新型コロナウイルスの脅威と戦っています。このような世界の思いを一つにした力が、核兵器廃絶に向かえば恒久平和実現への重要な足掛かりとなるはずです。1945年8月6日午前8時15分、決して忘れてはいけない事実、祖父母から託された非戦への思いを今一度思い出し、子どもたちに語り継ぐ。これは現在、親として子どもたちを育てている世代の使命なのです。2021年8月6日午前8時15分、今、目の前で輝いている子どもたちの笑顔を、この先も決して絶やしてはならないのです。
転換期
2021-07-03
今年の梅雨入りは例年よりかなり早い時期の宣言でしたが、雨をあまり感じない6月となりました。現在コロナワクチンの早急な接種が各地で盛んに行われ、ニュースでは注射される腕が毎日映し出されています。全国民への特別定額給付金、無料でのワクチン接種、そして賛否両論オリンピックももうすぐ開幕しそうです。世界に目を向けるとアメリカではUFOの報告書が議会へ正式に提出され、昨年リビアの内戦では攻撃の意思決定をAIが行う「自律型致死兵器システム」と呼ばれる殺人ロボット兵器が世界初使用された可能性があるというニュースもありました。世の中は常に変化しています。良くも悪くも急激な変化をしています。過去50年の変化と、この先50年の変化はまったくの別物になると思います。子どもたちはそんなこんな世界をこれから歩み、支えていかなければなりません。皆様には頻繁にお話させて頂いていますが、乳幼児期からの「自立・自律」は今後更に重要な成長の要素となっていくでしょう。0才児から5才児までその年齢に応じた自立、自律が存在し、それを一つずつクリアしていくことで、肉体的にも精神的にも成熟していくということをしっかりと心にとどめての関わりをこれからもお願い致します。保育園等の行事を通しても、ご家庭とは違う姿、成長を感じられるのではないかと思います。友達との関わり、保育士とのやり取り、真剣な眼差し、集中力の継続、子どもたちは日々、生活の中から様々なものを獲得しています。その目的は、当然ではありますが未来を生き抜くためです。就学前の成長、発達状況はその後のすべてに大きく影響を及ぼします。昨年、突如として現れ、世界を一変させた新型コロナウイルスは、人類のもろさ、衝撃的な未来への転換を示すと同時に、これからの教育に一層求められる力(自立、律・思考力・判断力・行動力)も示しているのではないかと感じます。
Let's play
2021-06-14
保育園や幼稚園では子どもは遊ぶことから学んでいると云う表現を頻繁にします。しかしこれは一般的に誤解を招きやすい表現だと感じます。確かに保育園では0才児から5才児まで、毎日いろんなことをして遊んでいます。でもこの遊び、本当に遊んでいるという表現で単純に捉えてよいのでしょうか。大人の遊び、それは仕事以外のことに時間を費やす、悪く略すと「お金を使って、周囲に理解されない可能性があることに時間を費やす」といった感じではないでしょうか・・あ~耳が痛い痛い。では子どもたちの「遊び」とは・・・それは「する」という意味合いもあるPLAYなのではないでしょうか。確かに子どもたちの行動を大きな括りで「遊んでいる」と捉えると「遊びは学び」が成立すると思います。しかし子どもたちの行動を、目的を持った「する」と捉えると、学びという部分は、遊びとは少し切り離して捉えなければなりません。遊ぶPLAYのなかに偶然学びが存在することは多々あります。しかし一方では活動当初から各年齢に応じた目的の為にするPLAYも多く存在しいるのです。PLAYを「遊び・する」と定義付けるのは大人視点であり、子どもからは、どちらでも良いのかもしれません。しかし大人には子どもに対して、その年齢、発達段階に応じた環境を整えるという重要な役割がありますので、無関心でもいけません。かといって締め過ぎ禁物、車のハンドル的な遊び(ゆとり)の部分は十分に残しつつの子育て環境・・・難しいですが、心掛けたいものです。子どもが育つ環境には様々な遊びが存在します。そのなかに様々なスキルアップのツールも隠れています。今のPLAYは、遊びなのか?するなのか?思い巡らせながら、ゆとりある子育てを楽しんで頂きたいと思います。