園長のひとりごと

転換期
2021-07-03
 今年の梅雨入りは例年よりかなり早い時期の宣言でしたが、雨をあまり感じない6月となりました。現在コロナワクチンの早急な接種が各地で盛んに行われ、ニュースでは注射される腕が毎日映し出されています。全国民への特別定額給付金、無料でのワクチン接種、そして賛否両論オリンピックももうすぐ開幕しそうです。世界に目を向けるとアメリカではUFOの報告書が議会へ正式に提出され、昨年リビアの内戦では攻撃の意思決定をAIが行う「自律型致死兵器システム」と呼ばれる殺人ロボット兵器が世界初使用された可能性があるというニュースもありました。世の中は常に変化しています。良くも悪くも急激な変化をしています。過去50年の変化と、この先50年の変化はまったくの別物になると思います。子どもたちはそんなこんな世界をこれから歩み、支えていかなければなりません。皆様には頻繁にお話させて頂いていますが、乳幼児期からの「自立・自律」は今後更に重要な成長の要素となっていくでしょう。0才児から5才児までその年齢に応じた自立、自律が存在し、それを一つずつクリアしていくことで、肉体的にも精神的にも成熟していくということをしっかりと心にとどめての関わりをこれからもお願い致します。保育園等の行事を通しても、ご家庭とは違う姿、成長を感じられるのではないかと思います。友達との関わり、保育士とのやり取り、真剣な眼差し、集中力の継続、子どもたちは日々、生活の中から様々なものを獲得しています。その目的は、当然ではありますが未来を生き抜くためです。就学前の成長、発達状況はその後のすべてに大きく影響を及ぼします。昨年、突如として現れ、世界を一変させた新型コロナウイルスは、人類のもろさ、衝撃的な未来への転換を示すと同時に、これからの教育に一層求められる力(自立、律・思考力・判断力・行動力)も示しているのではないかと感じます。
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Let's play
2021-06-14
 保育園や幼稚園では子どもは遊ぶことから学んでいると云う表現を頻繁にします。しかしこれは一般的に誤解を招きやすい表現だと感じます。確かに保育園では0才児から5才児まで、毎日いろんなことをして遊んでいます。でもこの遊び、本当に遊んでいるという表現で単純に捉えてよいのでしょうか。大人の遊び、それは仕事以外のことに時間を費やす、悪く略すと「お金を使って、周囲に理解されない可能性があることに時間を費やす」といった感じではないでしょうか・・あ~耳が痛い痛い。では子どもたちの「遊び」とは・・・それは「する」という意味合いもあるPLAYなのではないでしょうか。確かに子どもたちの行動を大きな括りで「遊んでいる」と捉えると「遊びは学び」が成立すると思います。しかし子どもたちの行動を、目的を持った「する」と捉えると、学びという部分は、遊びとは少し切り離して捉えなければなりません。遊ぶPLAYのなかに偶然学びが存在することは多々あります。しかし一方では活動当初から各年齢に応じた目的の為にするPLAYも多く存在しいるのです。PLAYを「遊び・する」と定義付けるのは大人視点であり、子どもからは、どちらでも良いのかもしれません。しかし大人には子どもに対して、その年齢、発達段階に応じた環境を整えるという重要な役割がありますので、無関心でもいけません。かといって締め過ぎ禁物、車のハンドル的な遊び(ゆとり)の部分は十分に残しつつの子育て環境・・・難しいですが、心掛けたいものです。子どもが育つ環境には様々な遊びが存在します。そのなかに様々なスキルアップのツールも隠れています。今のPLAYは、遊びなのか?するなのか?思い巡らせながら、ゆとりある子育てを楽しんで頂きたいと思います。
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大人の隠し味
2021-03-09
 昔から「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」とよく云われますが、毎年のことながらあっという間の3ヶ月です!保育園でも年度末が迫り、慌ただしくなって参りました。昨年の入園当初を思い出すと、歩ける!話せる!着替えれる!身体のコントロール、コミュニケーションも上達し、お友達もたくさん出来ました。お家に帰られて「今日は・・を作ったよ、・・があったんよ」というような保育園での話も、子どもたちから出ているのではないでしょうか・・・もし出ていなければ、いろいろ出るように、ほじってみてください。その日の生活、行動を親子で一緒に振り返ることは案外重要です!!今日は・・が楽しかった、嬉しかった、逆に・・が嫌だった、楽しくなかった、保育園で感じたことを、もう一度お家で思い出してもらい、それに共感してあげる。楽しかった、嬉しかったことは、よりポジティブに笑顔で、また成長するにつれて、トラブルの話もあるかとは思いますが、そのような時にも、なるべくネガティブ方面は避けながらの会話テクニックを、是非お願い致します。子どもたちは、信頼のおける保護者の皆様の話、思い、感情を素直に大量に吸収しながら成長していきます。楽しさ、嬉しさ、幸せをしっかりと感じてもらえるような関わりは、これから一生を左右していく人格の形成にとても重要なことです。実際ほんの一手間のことですが、これが未来に繋がります。見たものをどう感じるか、聞いたことをどう捉えるか、触ったものから何を得るか。子どもたちの純粋な思いに、大人の良き経験を隠し味として、少量効かせて(聞かせて)あげてください。隠し味ですので目立ちませんが効果ありますよ~。
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努力
2020-12-21
 「マリアさんあなたは男の子を産むでしょう。名前をイエスとつけなさい」友愛保育園開園以来50数年、12月のクリスマス祝会では年長児が降誕劇を演じています。子どもたちは、それぞれにマリア、ヨセフ、羊飼い、博士、宿屋、天使、そしてガブリエルを演じます。自分の役が決まるとセリフが書かれた紙をもらい、練習がスタートします。短いセリフはすぐに覚えることが出来ますが、少し長くなると容易にはいきません。家に帰っても練習は続きます。ときには涙が出てしまうこともありますが、繰り返し繰り返し、舞台の状況、セリフを頭の中に落としていきます。最近、卒園児が20数年の歳月を経て、親となり保育園見学に来てくれます。見学の最中に自分の担任だった先生に出会うこともありますが、そこは20年、顔だけうろ覚えが精一杯、少し寂しく思いますが記憶に残っていることもいくつかあります。降誕劇はその筆頭、ほぼ全員が覚えています。私はガブリエル、両手を上げてセリフを言った。僕は博士、宝物を持って来た。僕は羊飼い、棒を持って歩いた。みんな大したものだと感心させられます。思い出して下さい、保育園、幼稚園の時、あなたは何を演じましたか?他の記憶は曖昧でも、セリフを覚え、立ち回りを身に付け、与えられた役をしっかりと演じた記憶は、あなたのなかにも残っているはずです。学生時代を振り返ってみても努力の記憶は残っているものです。努力そのものも結果に大きく貢献してくれますが、自らを信じて頑張ったという記憶も、自信という素晴らしい力を授けてくれます。「努力は報われる」よく耳にするフレーズですが、子どもたちは今日も努力の一石で、成長というピラミッドをコツコツと積み上げているのです。
 
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2020-09-18
 人の声は特有のものです。指紋と同じです。声の似ている人はいます。しかし完全に一致することはありません。子どもたちは、生まれる前から母親の声を振動のように聞いています。そして、出産直後から自分を守ってくれる人たちの声を聞きながら成長していきます。特有の高低、強弱、音色、アクセントを心に染み込ませながら成長していきます。優しく包んでくれる声、強く叱ってくれる声、安心して認めてくれる声、子どもたちの心には、様々な声が刻まれていきます。子どもたちにとって家族の声は特別なものです。皆様、過去を振り返り、叱られて怖かったこともあるでしょう、「勉強、勉強、宿題、宿題」うんざりした記憶もあると思います。しかし、少しの時を置き、改めて聞くその声、音色、アクセント、妙な安心と落ち着きを覚えます。人の心には、自分を守り、育ててくれた家族の声が、しっかりと刻まれているのです。いい声を聞かせてあげてください。否定的な声ばかりで、子どもたちの心を埋めないでください。認めてあげて下さい。安心させてあげて下さい。そのいい声で満たされた心は豊かな成長を続け、そのいい声は歩みの道標となります。家族のいい声、いい言葉は、永遠に心のなかに生き続ける大切な大切な宝物なのです。
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